「ぶどう」は、ワイン用に栽培される品種を除き、生食用の果物としては、「デラウェア」に代表される小粒の房をつける品種と、「巨峰」や「ピオーネ」や「マスカット」のように大粒の房をつける品種があります。
岩瀬果樹園では、さまざまな品種の「ぶどう」を栽培していますが、出荷用に育てている中心品種は「巨峰」です。
岩瀬果樹園のある愛知県豊橋市では、ふるくから「ぶどう」の品種改良に努めてきましたが、種無し巨峰の技術も豊橋市で開発されたものです。
ぶどう栽培では、なによりも房づくりの作業にもっとも手間をかけるのですが、蕾の段階で数を制限してやり、養分が先端部の房に集中するように工夫します。
そして、ここにジベレリンという成長ホルモン剤を湿布してやることで、房を大きくし、種無しぶどうに成長させることができるのです。作業のタイミングを逃すと美味しい「ぶどう」に育ってくれませんから、6月には、この作業で朝
から晩まで「ぶどう」畑につきっきりの毎日が続きます。
「ぶどう」を少しでも長く保存したい場合は、1粒ずつカットして保存用袋や密閉容器に入れて冷蔵するのが決め手です。
カットする際は、粒の柄を少し残しておくのがポイントです。柄を付けたままで粒にフタをした状態にしておくことが、水分の蒸発を防ぎ、鮮度を保つのです。
「ぶどう」の糖度分布では、肩の部分(上のほう)が甘くなる傾向にあるため、下の部分から食べていくと甘みが強くなっておいしく食べられると言われますが、岩瀬果樹園の「ぶどう」は、まんべんなく美味しく食べられます。
また黒ぶどうや赤ぶどうでは、果皮の色が濃いほうが味がよく、美味しさをあらわす言葉として「紫黒色(しこくいろ)」という表現が用いられます。